うまく表現できない。
萩尾望都さんシリーズ第2弾。
「A-A'(エー・エーダッシュ)」というSFものです。今日帰りに本屋で見つけて、夕食中、お風呂中、とかけて読んでしまいました。 人工的に品種改良された人間(!)の種、一角獣種(このあたりやっぱり少女漫画家)というのが出てきます。普通のヒトとちょっと感情や感覚がズレてて、他のヒトから見るといまいちトロかったり、ヒトの気持ちがわからないように見えたりする。それはもともと、コンピュータを扱うために改良された種だからで、感情がなければミスも少ない、という目的だったから、という設定になっています。 この物語に出てくるのはその種が人工的に誕生させられてから100年以上もたった頃、隔世遺伝的にまれに現れるその一角獣種たちをめぐるさまざまな人々も含めて描かれています。 プログラムだとかコンピュータを扱うために感情のない人種を作り出すってコンセプトははたしてどうなのかしらん?と思わないでもないですが、彼ら(一角獣種)があまりに不器用なんですよ。 その感情を抑制するように作られた種にも実は楽しいとか悲しいとか、恐怖とか愛するといった感情はもちろんあって、でもそれをどう表現していいのかわからない。ゆえに必要なときに必要なことがいえない、言わなくてもいいようなことを言ってしまう。そしてヒトに誤解されたりしてますますどうしたらいいのかわからなくなる。 なんだか彼らも、実は今を生きる不器用な、あなただったり、私だったり。 そんな気がしませんか? うれしい、たのしい、だいすき(ドリカムか?)、そんなプラスの感情も、 つまらない、むかつく~、かなし~・・・そんなマイナスな感情も、どっちも含めて、 感じることと、それを伝えることを大事にしてたい、そんな風に思った夜でした。
by fuyuhime66
| 2004-03-24 01:38
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